初めてZaltoのグラスに出会ったのは、今から8年ほど前、フランス南西地方の人口わずか1200人ほどの小さな村にあるレストランでした。何十ページもあるワインリストからこれだ!と思う1本を選び、ウキウキでワインの到着を待っていると、テーブル上でワインを抜栓してくれました。
シェフソムリエが自身のテイスティング用にZalto White Wineにワインを注ぎ、そのグラスを10分ほどテーブルに置いたまま席を離れたのですが…
その10分間の事は今でも鮮明に覚えているほど、素晴らしい時間だったのです。
窓際の席から見える美しい自然の景色とともに、グラス越しに見えた七色に変化する夕焼けは、信じられないほど美しく、身震いするほどでした。
暗闇が訪れたちょうど10分後、私たちに提供されたのはZalto Bourgogneに注がれたワイン。
グラスに触れた瞬間、指先を伝ってグラスの柔らかさを感じ取りました。香りも、口当たりも、余韻も素晴らしく、この手に触れた感覚の柔らかさがワイン全体に広がっていったのです。
この特別な瞬間を忘れないように、それ以来、La natureではZaltoのグラスを使用しております。
皆様にも特別な瞬間が訪れるようにと。
La natureでは、ワインの味わいや香りを最大限に引き出すために、ほとんどのグラスをZaltoで揃えています。
Zaltoはオーストリアの職人技が光るブランドで、そのグラスは軽量でありながら驚くほど強度が高く、繊細なデザインが特徴です。
特に注目すべきは、Zaltoのグラスが地球の傾きを考慮して設計されている点です。
Zaltoのグラスは、古代ローマの哲学に基づく角度(24度、48度、72度)を採用しており、これにより液体のバランスが最適化され、ワインの香りと味わいを最大限に引き出すことができます。
さらに、2009年末にドイツのワインマガジン「STERN」誌主催のブラインドテイスティングコンペティションにおいて、Zaltoグラスは3部門(ボルドー、ブルゴーニュ、リースリング)すべてで1位を獲得しました。
この結果は一大センセーションを巻き起こし、その実力が広く認められました。以来、オーストリアのみならずイタリア、フランスなどヨーロッパ各地のワイナリーやワイン関係者から支持され、急速に導入が進んでいます。現在では、アメリカのワイナリーやレストランでも使用されています。
La natureのワインリストは、ただのメニューではありません。それは情熱と努力の結晶かもしれません。
僕は、かつてフランスのValenceのレストランで手にした100ページを超えるワインリストに衝撃を受けました。
手に取った瞬間に感じたレザーの触感、その美しさと機能性を兼ね備えたリストに心を奪われたのです。
同じものを作りたい。と思ったのですが、、、
日本ではビニールカバーのメニューが主流で、100ページのワインリストを作るのは容易ではありませんでした。
何度も、何度も試作を繰り返しましたが、厚みの問題や開きやすさの課題に直面し、理想のリストには程遠いものだったのです。
そこで思いついたのです。フランスで見つけたものはフランスで探したらどうだろう、と。
メニュー、革、レストラン、ミシュラン、…
僕がみたワインリストに連想できそうな言葉を考え、調べに調べました。
そうしてやっと一つのサイトに行き着いたのです。
ミシュラン星付きレストランのメニューを手掛ける南フランスのメニュー屋さんに!
不慣れなフランス語で恐る恐るメールを送ると、なんとすぐに返信が来ました。
「もちろん作れるよ!」こんなにも嬉しい瞬間は中々ありません。
打ち合わせを重ね、オーダーから完成まで10ヶ月程。
やっとの事で求めていた通りのワインリストが手に入りました。いや、それ以上のワインリストが手に入ったのです!
La natureでお客様に提供するワインリストは、情熱と努力が詰まった特別な一冊です。どうぞ、その手触りと美しさ、コンセプトあるワインセレクションをお楽しみください。
フランスの田舎にある静かなレストランで、初めてNordaqの水を口にしました。
その瞬間、料理の余韻を洗い流すことなく、口の中で水が優雅に調和したのです。
その水の味わいは、特別なものだとすぐに理解しました。それは、その場所特有の水道水から不純物を取り除きつつ必要なミネラルを保持するNordaq独特の処理によるものだったのです。
水は、その採取された土地の性質を色濃く反映します。
Nordaqの水が表現する清らかな味わいは、その土地のミネラルバランスと環境が生み出したものです。
フランスのレストランで感じた水の味は、その土地固有の風土が織りなす独自のものだったのです。
今、藻岩山の麓に位置する「La nature」で、同じ水を提供しています。
ここでは、Nordaqの水を通じて、その土地特有の風味を感じる事ができます。
皆様が当店で飲む一杯の水もまた、この場所の為にある水源の森の味わいなのです。
水を飲む場所が変われば、その味わいに影響する水源も変わるのですから。
La natureで提供するNordaqの水は、この地域の自然を反映した生き生きとした味わいが特徴です。
各地の水が異なるのは、その土地の環境やミネラルの成分が異なるためです。
これにより、水はその土地の物語を語る手段ともなり得るのです。
ワインやお食事と共に、Nordaqの水が織り成す「水源の森の味」と「調和」を、ぜひお楽しみください。
La natureで使用している器は、フランスの陶器ブランドJarsがメインです。
僕は、フランスの小さな村にある3ツ星レストランでJarsの器を使用しているのを見て、その美しさに感動しました。
レストランでは、さまざまな色合いのJarsが使用されており、その魅力に引き込まれたのです。
翌日、いてもたってもいられず、Jarsのルーツを探るために、実際にJarsの工場があるAnneyronを訪問しました。
慣れない他国の道を自分で運転し、ドキドキしながら田舎道を移動した事を今でも覚えています。
到着した工場では、職人たちが一つ一つ丁寧に器を作り上げている様子を目の当たりにし、Jarsの製品に込められた情熱とこだわりを深く理解しました。
これがLa natureで使用することを決意した瞬間です。
Jarsの工場から近い場所にある世界有数のレストラン、Maison Picでは、シェフのアンヌ・ソフィー・ピックのチャーミングなキャラクターとJarsのキャラクターが似ていることから、100年以上続く伝統的なレストランでもこのチャーミングなJarsの器が使用されています。Maison Picは、多くの料理人や食通の憧れの的となっている場所です。
1897年に創業されたJarsは、美しいデザインと高い品質で知られ、その食器類はレストランや家庭で愛用されています。
Jarsの製品は、職人の手作りで、釉薬や仕上げにもこだわりが見られます。耐久性と使いやすさ、そして独特の風合いが特徴で、お料理の魅力を一層引き立てます。
※この画像はフランスのとあるレストランで撮影したものです。
La natureでは、お客様に提供するすべての要素に特別なこだわりを持っています。
それはお砂糖においても例外ではありません。
ある日、フランスの3ツ星レストランを訪れた時のことです。
このレストランはオーベルジュでもあったため、お昼からワインリストを見せてもらうことができました。
夜に飲むワインを選ぶためにワインリストをお願いすると、ワインリストと一緒にコーヒーも出してくださいました。
が、その瞬間、目を引いたのはワインリストでもコーヒーでもなく、共に出てきたお砂糖!
そのお砂糖は球体で、角砂糖とは全く異なる形状をしていました。
2種類の大きさと2種類の色がランダムに配置され、その見た目はまるでアート作品のよう。
このお砂糖に一目惚れした僕は、いつかLa natureでも必ず扱いたいと強く心に決めたのです。
日本に帰国後、同じようなお砂糖を探しましたが見つかりません。
そこで、1744年から続く歴史ある砂糖商に相談したところ、特別にオーダーメイドで作ってもらえることになったのです!
日本の精製技術は今や世界トップクラス。
このオーダーメイドの砂糖は、信じられないほどの口溶けを実現しています。
La natureで提供するコーヒーと一緒に、この特別なお砂糖をお楽しみいただけます。
ロデーズ(フランス南部の歴史的な街で、美しい大聖堂や現代アートの美術館がある)にあるミシュラン3ツ星レストランの姉妹店のカフェで出されたタンブラーグラス、その美しい形状に一目惚れしました。
ガラスの質感などで簡単にマシンメイドだとわかる普通のグラスなのですが、とにかくその形が美しいのです。
どうしても手に入れたい!と調べたところ、メーカーはSTÖLZLE LAUSITZというドイツのものであることがすぐにわかりました。
しかし日本ではそのモデルは輸入されていません。。。
どうしても諦めきれない私は、勇気を出して輸入総代理店にコンタクトを取り、結果、なんと特別に輸入してもらえることになったのです!!
当店の素敵なものは、いろいろな方のお力添えで形になっています。この特別なグラスで、皆さまに素敵な時間を提供できることを楽しみにしています。
本が大好きな父は、数千冊以上集めた本を終活の一環として処分しようとしていました。
小さい頃から本に囲まれて育った僕にとって、それはとても寂しいことでした。
そこで、この場所でワインリストのような本のリストを作れないかと、父に相談したのです。
「これまで読んだ中で面白かった200冊を譲って欲しい」とお願いすると、父はじっくりと200冊を選んでくれました。
選ばれた本は父の好みが色濃く反映されていて、歴史物、海外ミステリー、現代日本の文学、日本のミステリー、そして少しだけ手塚治虫の漫画も含まれていました。
そして、その200冊の本をわざわざ240km離れている函館から届けてくれたのです。
父からはこんな教えも受けました。「歴史の本を読むときには、互いの視点から書かれた本を読むことが重要だ。例えば、新撰組の本を読むときは、薩摩藩や長州藩の視点から書かれた本も合わせて読むと、歴史を多角的に理解できる」と。
こうして選ばれた200冊の本たちは、父の愛情と教えが詰まった特別なコレクションです。
La natureでお酒を楽しみながら、これらの本と一緒に、特別な時間をお過ごしください。
La natureのインテリアには、フィリップ・スタルクがデザインしたコステスチェアを取り入れています。
この椅子は、1984年にパリの伝説的なカフェ「カフェ・コスト」のために特別に設計され、その名もレストランの名前に由来しています。
カフェ・コストのオーナーであるコスト兄弟は、アヴェロン出身です。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アヴェロン地方は美しい自然環境に恵まれながらも経済的な機会が限られていたため、多くの人々がパリに出稼ぎに来ていました。
彼らは故郷のラギオールナイフを持ち込み、カフェで使用するようになり、その品質とデザインの良さから徐々にパリ全体で広まります。
La natureの建物は、アヴェロン地方にあるロデーズのスーラージュ美術館にインスパイアされています。
美術館の黒を基調としたシックなデザインと、探検する楽しさを感じさせる要素を取り入れました。
スーラージュ美術館を訪れた際、館内を探索する中で「もしも秘密のドアを開けたらその先にワイン庫があったら面白い」という想いが芽生え、その想いを形にしたのがこの建物です。
フィリップ・スタルクの美しいデザインを通じて、皆様に心地よい時間をすごしてもらえたら。コステスチェアの歴史と背景を感じながら、ゆっくりとお楽しみください。
海外に行った時は、不安になる瞬間が何度か訪れます。
レストランに入店する時だったり、何かしらのお支払いの時だったり、ガソリン入れる時だったりと、様々な場面で不安は襲ってきます。
旅行時に来る「不安感」。
そんなマイナス面を上手に表現したい!
この場所では、お化粧室にちょっとした「不安感」を仕掛けました。
設計士さんにオーダーしたのは「あるべきものがないお化粧室」。
この一言だけです。
完成したものを見てみると確かにあるべきものがない…
ように見えるだけで
しっかりとあるべきものはありますので、ご安心ください。
La natureの店名には特別な想いがあります。
その文字は、私の母が亡くなる数週間前に無理をして書いてくれたもの。
自然が好きだった母の思い出を形にし、その時々にやりたいことを自然体で表現できるお店を作りたいという思いを込めました。
店のロゴにはもう一つの愛情が込められています。
裏庭にある畑で義母が大切に育てているエルダーフラワーのイラスト。
義母の愛情と母の思い出が組み合わさったこのロゴは、La natureが大切にしている家族の絆と自然への敬意を象徴しています。
La natureは、そんな温かな思いに包まれた場所であり続けたいと願っています。